ドライブ
私は18歳の夏に免許を取りました。
乗り物に極度に弱い私は
教習中も酔ってしまい、
路上教習を最後まで走れたことがありませんでした。
田舎のコースなので
教官のチョイスでは
市街を外れたものは山道だったりするので
余計に酔っちゃうんですね。
生徒間で
ある路上教習のコースが噂になっていました。
それは山行きのもので
雨の日に走ると
ある場所で足を引っ張られるというものでした。
私はその場所まで
一度も走れたことがなくて
どんな感じなのかもわかりませんでした。
教習所で知り合った子から
その話を聞いた翌日、
雨が降り
彼が偶然そのコースに行くことになったのです。
「俺実は霊感強いんよ。なんかあったらどうしよ?」
かなり動揺してたので
ひとつ祓詞を教えておきました。
大体よほどのやばいとこ以外は
話を知っているか知らないかで
障りの出方が違うんです。
自分から呼び込んでしまうというか。
知らない、意識しないということはすごい強味なんです。
活人の意識してない時の
生のパワーって強いから。
でも彼は自分が霊感が強いと思っている上に
噂の場所を意識してしまっているので
きっと足をつかまれるでしょう。
祓詞を教えると
「なんてあんたそんなこと知っとるん?」
といろいろ詮索してきましたが
相談を受けたりしていることは
親しくても明かさないようにしてたので
黙っていました。
そんなこと知ったら
変な興味持つ人が多いので嫌なんですよ。
こっちは遊びでやってるわけじゃないので。
横道に逸れましたが
彼はやはり噂通りに足を引っ張られたそうです。
でも教えた祓詞を唱えると
無くなったそうで。
免許を取ってしばらくして
彼が教習仲間のドライブに誘って来ました。
乗物に弱い私は
即断りましたが
余りにしつこいので
酔ったらすぐ帰るという約束をして
行くことにしました。
免許取りたての人間ばかり集まって
運転し合うなんて車酔いする私には
馬鹿馬鹿しいことにしか思えず、気が進みませんでした。
が、約束の日はあっと言う間に来てしまい、
ドライブは始まりました。
あまりカーブのきついところには
行くなという注文をつけましたが
あてにはなりません。
案の定
車は山へ向けて走ります。
降りると言っても
こんなタクシーも来ないとこでどうするんやとか。
「じゃああとで拾ってくれ」
と言っても
何か理由を付け降ろしてくれません。
車に酔う私を
しつこく誘って来たときに気付くべきだったのです。
酔う人間を無理にドライブに誘う理由を。
彼等には魂胆があったんです。
そう、ドライブは例の教習コースです。
気分は悪いし、
彼等にも一杯食わされて
腹が立つし私は死にそうでした。
心霊スポットとかに
面白半分で友達同士で行ったり
肝試しする輩は大嫌いだから。
そんな風に
私の神経が立っている時行くのは
ハッキリ言って命知らずです。
体調が悪いことで私の力は弱まっているし、
神経がピリピリしていると呼んでしまうからです。
彼等にとって最悪の状態での肝試しとも知らず、
車はどんどん走ります。
大袈裟ではなく
このままでは下手したら
私の命も危うくなります。
ハンドルを握っているのはバカな友人なんですから。
いざというとき
ほんまにイタズラされて事故ったらおしまいです。
私は運転を無理矢理変わり
帰ろうとしました。
彼等はすんなり聞いて私にハンドルを渡しました。
私は言い加減に噂を聞き流していた上に
コースをまともに完走していないので知らなかったんです。
Uターンした反対車線ということを。
走ってすぐに
車内の友人達の口数が減ってきました。
?と思うと
同時に足をつかむ手がありました。
運転しているので
前を向いていますが
足元の様子が目で見るようにわかります。
私の弁慶の泣き所に頭を乗せるように
人がつかまっているのでした。
アクセルを強く踏み込みそうです。
祓詞を小さく
口の中で唱え始めた私に気付いた友人達は
「どうしたん?何か出た?」
と目を輝かせてこわごわ聞いてきました。
「あんたらアホか!そんなにどうにかなりたいんか!
見える奴には見えるやろ!
望み通り足元に絡んどるわアホンダラ!!」
気をとばすのを兼ねて
私は車内で怒鳴りました。
友人達は大声のせいでパニックです。
中には少し見えた子もいたみたいで
新に叫んで驚いているのも居ました。
祓いきって途中で車を路駐し、
私は外て戻しまくってしまいました。
馬鹿姉ちゃんは
怖さで泣いてるし
馬鹿兄ちゃん達は
オロが来てるしやってられませんでした。
そんなバカなことをしてると
たいがい低級なのをくっつけてくるもんです。
彼等に軽い障りを後で起こしそうなものでした。
ムカついていたのて放っとこうかと思いましたが
軽く祓っておきました。
本当は祓うことなんかなかったんですけど。
だって彼等は私が相談を受けたりしてるということを
大人づてに聞いて連れ出したということだったんです。
完全に利用されたわけでした。
祓うんじゃなかった!
あの絡み付いて来たものは
避けられたはずの動物をわざとひいた人がいたんです。
その動物が人を引き込み事故を起こし、
亡くなった方が
さらに人を引っ張ろうとしていた感じです。
実際生死に関わる事故がよく起こるそうです。
興味本意で
そういう場所にいくのはやめたほうがいいですよ。
テレビで霊能者を連れて行ってたりしますが
あの人達ってお金もらってるんですかね?
ああいう遊びに付き合うのに
タダで行く気にはならないだろうけど。
私ははめられて行かされたので
マジ頭にきましたよ〜。金払え馬鹿やろー!!
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